2009-2010年を振り返って
- 株式会社ソレイユ
- 2022年2月1日
- 読了時間: 7分
更新日:2022年7月5日

意気揚々とオンラインショップの準備を進める中、まさかの楽天市場「審査落ち」で独自の道を歩むことを余儀なくされてしまった2009年。
当時、モール出店以外でECが収益を上げることは難しいとされた中でどのように困難を乗り越えたのかを立ち上げメンバーの対話で振り返ります。
PEOPLE

左から:羽田(取締役)・三橋(代表取締役社長)・平見(取締役)
楽天市場モールへの出店を断念
2009年5月
楽天市場への出店が審査落ちのために叶わなくなってしまいました。まだ当初は独自ドメインによるオンラインショップの運営が一般的ではなく、販売サイトは基本的にモールに出店しなければ売れないと言われていた時代です。
三橋:あの時は本気で焦りましたね。もう、正直、始まらずして終わったなって思ってましたよ。
羽田:そうですね。でも私、意外とそこまで危機感なかったんですよね。
平見:え、どうして??あの当時って、まだモール以外にネット通販自体が全然浸透してなくてスマホもなかったじゃないですか。
羽田:そうなんですけど・・・ただ私、まだガラパゴス携帯の時代でしたけど、ネット通販をガンガン利用してたんですよ。楽天市場が多かったですけど、独自のお店も利用してましたし。大学を卒業して一人暮らしを始めた頃だったと思うんですけど、テレビとか家具とか、結構通販で購入してましたよ。
三橋:それは・・・すごいですね。私なんてあの当時はネットショップやるって言いながらもめったにネット通販なんて利用したことなかったから・・・見なきゃわからないでしょって思ってましたし(笑)
平見:私もです。ネットなんて怖いって思ってました。
羽田:これからやろうとしてるのに?(笑)
三橋:そう。だから、独自ドメインを取得してページ作成も集客も自分たちでしなければいけないなんて、大海原へ向かってアヒルボートで漕ぎ出すくらい無謀だと思ってました。
羽田・平見:アヒルボート(笑)
2009年オープン当初のびっくりカーテンのTOPページ

羽田:このトップページは懐かしすぎる!100サイズから選べる既製カーテンの専門店でしたよね、当時は。
三橋:そうなんですよね。オンラインでオーダーカーテンを販売するにはカートシステム上の制約(オプション制限など)もありましたので、縦と横のサイズを簡単に指定するだけで窓に(比較的)ぴったりのカーテンをご用意しますという内容でスタートしました。
5cm単位で丈が指定できるオーダーに近い感覚の既製カーテンのお店でした。戦略としては既製カーテンの「安価なイメージ」と、多サイズ故の「絶対に見つかる感」で、お客様からの反響はとても良かったです。
羽田:そうでしたよね。売る側も買う側もシンプルでわかりやすいことがメリットでしたね。
三橋:最初、バナーとかは全部エクセルで作成したんですよ。信じられます?(笑)モールに素材を放り込めば店が作れるつもりだったので、HTMLとかCSSとか何も知らなくて、こんな私がネットショップなんて作れるのかな・・・って心配だったんですけど、普通はこういう手順を踏むよねっていうすべての手順を無視してなんとか形にしたよって感じでしたね。
羽田:はい、そうでした(笑)
三橋:どれだけ邪道かって言うと・・・
まずは撮影した画像素材はMicrosoft Officeに装備されていた「picture manager」を使って画像の明るさとかコントラストを調整するのよね。で、一旦閉じて、ペイントで開いて全選択→コピー→エクセルに貼り付け。
そこからエクセル上で文字挿入したり図形挿入したりして、最後にグループ化するじゃない?それをコピーしてまたペイントに貼り付けて、今度はサイズとか拡張子をいじって名前をつけて保存。それをアップロードして使用するっていう・・・(笑)
羽田:めちゃくちゃですよね(笑)私も後にそうやって教わったから二人とも同じ動きしてました。
三橋:うん、ごめんね(笑)でも、その手間のかかる作業も「Inkscape」と「Gimp」でかなり簡単になりましたよね。誰にも教わったことが無いからネットで情報調べて見よう見まねでやって、意外と形になるんですよね。
羽田:はい、私も無料ソフトを教えてもらってから飛躍的にバナー素材とかは良い見栄えで作れるようになったと思います。
三橋:無料ソフトのInkscapeだったけど、修行のように業種問わず他店のページの複雑なデザインバナーを見つけてきては、一から作って完全コピーできるレベルにまで進化させることができたんですよね。使用ソフトなんて関係ないねって思えるレベルにまで早い段階で持ってこられたのは良かったですよね。何せ、お金がなかったですからね・・・。
独自ドメインでのEC運営に手応え
2009年11月 オープン初月売上

羽田:初受注、覚えていますか?
三橋:もちろん(笑)売上が上がると当時はガラパゴス携帯に通知が入るようになっていたんですよね。ピロピロリーンって。8日のご注文は無料サンプルで、1週間後の15日には商品のご注文が入って・・・
羽田:いやぁ、歓喜しましたよね!こんなに早くご注文いただけると思っていなかったですからね。
三橋:そう!本当に、涙出そうなくらい嬉しかったですね。当時はお取引先も1社しかなかったんですけど。ご注文があったことをお伝えした時は一緒に喜んでくださって。とても嬉しかったです。
羽田:集客がうまくいって良かったですよね。
三橋:そうですよね。独自ドメインなんて、太平洋に浮かぶ小舟を見つけていただくようなものですからね。つまり何もしなければ存在にすら誰も気づかない。なので、結局広告に頼る方法になってしまいましたけど、モール出店が一般的だった当時は、逆に独自ECにとって環境的にはブルーオーシャンでしたので、広告での集客は今ほど難しい内容ではありませんでした。
羽田:広告運用はある程度のところでプロの方にお任せしたのも良かったですよね。
三橋:そうですね。他の業務の効率も、費用対効果も格段に上がりましたね。
平見:懐かしいですねぇ。
3名:(しみじみ物思いに更ける・・・)
好調な売上と苦悩
2010年11月 オープンから1年後の売上

羽田:まさかこんなに順調に売上が伸びると思っていませんでしたよね。だから、内部的についてこないことが増えて、大変でした。マルチタスクの極みで動いてましたからね(笑)電話対応しながらサンプル切ったり出荷作業したり。
<毎日のルーチンワーク>
受注確認&メール送信
メールお問い合わせ返信
フリーダイヤルへのお問い合わせ対応
無料サンプル請求対応
ページ用商品画像撮影
ページ掲載作業
ブログ作成
入荷検収作業
梱包・出荷作業
発送完了メール送信
平見:本当に大変でした。ネット通販店がこんなに大変だなんて思いもしませんでした。
三橋:そうでしたね。縫製工場への発注書は手書きでしたし、家庭用の電話機とFAXしかなくて、一気にご注文が増えた時に腱鞘炎寸前になるほど手を痛めたのが懐かしいです。
受注メールも、備考欄へのお客様へのご要望が多くなってきて、一件一件内容へのご返信を手打ちしてましたもんね。緊急の内容はお電話したり、まだ通信が今ほど発達していなかったので、FAXをご希望のお客様も結構いらっしゃって・・・
羽田:そうそう、FAX!
メールでのお問い合わせにも都度返信していましたが、「本当にちゃんと届くんですか?」とか、「怪しい業者じゃないんですか?」とか、そもそもネットショップに慣れていないお客様が当時はほとんどでしたから、今では考えにくいような内容のお問い合わせも結構いただいていて対応に苦労しましたね。「信用してください!」ってお伝えしても、「じゃあ信用に値する根拠を示してください!」みたいな、終わりの無い押し問答をすることもはじめの頃はありました。
三橋:そうでしたね。マニュアルも経験もありませんでしたのでね。それに、事務所内に撮影スタジオも無かったので、羽田さんを事務所に一人だけ残して私と平見さんで新商品は私の自宅で撮影してたんですよね。平見さんはアイロンかけてくれて、私は黙々と撮影して・・・
羽田:心細かったです(笑)
平見:事務畑しか経験のなかった私が無料サンプル用に生地をカットしたり、アイロンかけたり出荷したり・・・お客様とお電話するのも怖いのに、二人とも容赦無く仕事を言ってくるから、次は何言われるんだろうとヒヤヒヤしてました。
三橋:でも、楽しかったでしょう?(笑)
羽田・平見:まぁ、そうですね(苦笑)
以上が、お恥ずかしい顛末ではございましたが、立ち上げ当時の様子です。
今あらためて2009年から2010年の当時を振り返ると、食べていくために売上げアップを目指して目の前のことに集中して運営をしてきた印象です。オンラインストアとして必要な基礎を固めていくことに夢中で、事業者として私達にしか提供できない社会的な価値とは一体何なのか、そもそもカーテンという商材を今後どのような形でインテリアとして発展させていけば良いのかということなどは考える余裕すらありませんでした。
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